従業員の入社時や退職時の給与計算で、給与から何月分の社会保険料を控除すれば良いのか悩んだ経験のある経理・総務担当者は多いと思います。今回は、入社時と退職時にわけて法律上どのように規定されているのかについて確認して行きたいと思います。 つまり社会保険料は翌月の給与から控除することなり上記問題は解消される。しかし退職する場合、退職日が月末になると企業の給与の締め支払日で変わるが、最終給与から2ヵ月分の社会保険料を控除する必要があることに注意が必要である。 スモールビジネス(個人事業主、中小企業、起業家)の業務や経営にまつわる疑問や課題をみんなで解決していく場, 毎月の従業員の給与から天引きする社会保険料。特に入社や退社のタイミングでは、どのように天引きすればよいのか判断に迷うこともあるでしょう。今回は社会保険料の給与天引きについて、計算方法や考え方を、給与の締め日、支払日の事例とともに、社労士が徹底解説します。, このほかにも従業員が関係する社会保険として労災保険もあります。ただし、労災保険料については100%会社負担であるため、従業員からの給与天引きはありません。そのため、今回は給与天引きが関係する上記の3つの制度に絞って説明していきます。, 健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料すべて、毎月の給与や、年数回の賞与の支払いの度に天引きするという点は同じです。, 一方で天引きする金額の決定は、健康保険料・厚生年金保険料と雇用保険料で大きく異なります。, 健康保険料・厚生年金保険料は一般的には社会保険料と呼ばれていますので、以下でも健康保険料・厚生年金保険料=社会保険料として、雇用保険料と区別することにします。, まず、社会保険料は、標準報酬月額といって、毎年4月から6月の給与額面の平均(新入社員の場合は基本的に初任給の給与額面(時給や日給の場合は、入社前月に時給や日給で給与を受け取った従業員の平均額))をベースに計算します。, こうして計算された金額を報酬月額といいます。標準報酬月額は、報酬月額を、あらかじめ決められた等級に当てはめて決定します。標準報酬月額や、標準報酬月額ごとの毎月給与天引きすべき社会保険料の金額は、全国健康保険協会が用意している以下のサイトから確認できます。, 4月から6月に残業代が多くなると社会保険料が上がるというのは標準報酬月額の決め方に由来します。ちなみに、4月から6月に支払うべき残業代やその他の手当をまとめて7月に支払うといったことは、そもそも労基法違反になりますし、標準報酬月額は支払いが遅れた分も計算に入れなければならないということに注意しましょう。, 社会保険料は、会社と従業員が50%ずつ負担します。納付する金額は、標準報酬月額をベースに日本年金機構から通知されます。会社が計算するわけではありません。, 会社で各従業員の標準報酬月額を正確に把握しておけば、日本年金機構が計算する金額をずれることはありません。従業員から給与天引きした保険料に、ほぼ同額を上乗せして納付することになります。ほぼ同額と書いたのは、社会保険料の納付の際に、会社のみ「子ども・子育て拠出金」を合わせて納付する必要があるためです。, 従業員から給与天引きした額 + 給与天引きと同額の会社負担額 + 会社が負担する子ども・子育て拠出金額, 単純に給与天引き額を2倍した金額よりもやや多くなるのは、子ども・子育て拠出金が加算されているためです。, 一方、雇用保険料は毎月の給与額面をベースに計算します。毎月給与額面が変動する場合には、その金額に決められた保険料率を乗じて、給与天引き額を計算します。これに対して、社会保険料は標準報酬月額をベースに毎月の給与天引き額を計算するため、とある月の残業代が多くなったとしても給与天引きする社会保険料がその月に大きくなるということはありません。, 雇用保険料率は、毎年4月に改訂されます。毎年の雇用保険料率は、以下の厚生労働省のサイトから確認できます。, 雇用保険料は労災保険料とともに、毎年4月1日から翌3月31日に発生した給与の金額を集計して決められた保険料率を乗じることで1年間の保険料を計算し、6月1日から7月10日の間に1年分の保険料金額を納付します。雇用保険料の給与天引きは毎月行いますが、その納付は基本的に年に1回ということになります。, 標準報酬月額や、雇用保険料の計算の基礎となる給与には、通勤手当をはじめ○○手当など、給与明細に乗せる金額が基本的にはすべて含まれます。ただし、福利厚生の一環として支給するような○○金(結婚祝い金や出産祝い金、弔慰金など)は給与と合わせて支給したとしても、含みません。, 次にいつから社会保険料を天引きするのかということを見ていきましょう。給与の締日や支払日、社会保険料の納付日など、いろいろな日が絡み、どのように天引きしていけばよいのかということに迷うこともありますが、それぞれの日の関係を理解すれば、どのようなケースでも迷うことがなくなります。, ●社会保険料の発生するタイミング 社会保険料は、翌月末日が支払期限となります。たとえば、1月分の社会保険料の納付期限は2月末ということになります。翌月末日が休日の場合、納期限は後ろ倒しになりますが、話を単純にするために、以下ではすべて翌月末日納付ということにします。, 社会保険料については、いつからいつまで社会保険料がかかるのかということを理解しましょう。重要なポイントは、「月末に加入者であれば、その月の社会保険料がかかる」ということです。, ●社会保険料の資格喪失日 社会保険の加入日は、入社日(途中で雇用形態の変更などで加入することとなった場合は、その日)ということで分かりやすいのですが、資格喪失日は少々分かりにくいです。, 資格喪失日は基本的に退職日の翌日です。退職日当日もその会社の健康保険証が使えるようにしてあるということです。退職日にそのまま他社に雇用されるような場合(例えば、午前中に退職して午後から別会社で勤務を始めるような場合)には退職日に資格喪失となりますが、ほとんどは退職日の翌日となります。, 例えば1月31日に退職する場合は、2月1日が資格喪失日となります。この場合、1月31日時点ではまだ加入者であるため、「月末に加入者であれば、その月の社会保険料がかかる」というルールに従って、1月分の保険料、つまり2月末に納付すべき保険料までかかるということになります。, 一方1月30日に退職する場合は、1月31日が資格喪失日となります。この場合は、1月31日にはすでに資格喪失して加入者でなくなっているため、1月の社会保険料はかからず、12月分、つまり1月末に納付すべき社会保険料が最後となります。, では、入社した月に退職することになってしまった場合はどうでしょうか?このケースは多少ややこしいです。このケースだけ、ほかの会社で月末に加入者でない人については、保険料の徴収が必要となります。, 例えば、1月10日に入社して、1月29日に退職した場合、資格喪失日は1月30日となります。この場合、他社に再就職してその会社で1月31日時点において加入している場合を除いて、例外的に社会保険料の天引きが必要となります。, そうはいっても、すぐに退職してしまった人がそのまま他社に再就職するかどうかということを確認することはなかなか難しいかもしれません。, 本来徴収すべきでなかった社会保険料を天引きして、納付までしてしまった場合には、後日年金事務所から還付が行われます。(実際の現場では、同月入退社は、2,3日で来なくなるような人であることも多く、社会保険の加入手続きを取る間さえなく、同月入退社で頭を悩ませるようなことすらないことも多いかもしれませんが)。, 同月入退社の例外はありますが、基本的には月末ルールと、社会保険の資格喪失日がいつになるのかという2つのポイントを押さえておけば、さまざまなケースに対応できます。, ちなみに、社会保険料には日割りという考え方がありません。末日に加入していれば、何日に資格取得しても、納付額は丸1か月分ということになることに注意しましょう。場合によっては、給与は日割りでも社会保険料は1か月分天引きということで、手取り額に大きく影響することもあります。そういった場合には、あらかじめ従業員に伝えておくなどして理解してもらうようにしておくとよいでしょう。, ●社会保険料の給与天引き 次に社会保険料の給与天引きについてです。給与天引きには2パターンの考え方があります。, パターン1 給与の支給日と納付日を合わせる方法 例えば、2月支給分の給与から2月末納付分、つまり1月分の社会保険料を天引きするという考え方です。この場合、何月分の給与かということは気にせず、単純に給与支払日と納付日を対応させます。, パターン2 給与の発生月と社会保険料を対応させる方法 例えば、15日締め当月25日払いの給与の場合、1月分の給与は、1月25日に支払います。一方2月末に1月分の社会保険料を納付します。この場合、1月分の給与から1月分の社会保険料を天引きして、2月末に納付という流れになります。同じ月内に給与の締日と支払日がある会社では、給与天引きする月と、社会保険料の納付月が1カ月ずれるということになります。, 実務上は、ケース1で対応している会社が多いように思います。納付日と給与支払日の対応だけ考えればよいので、分かりやすいからでしょう。, 雇用保険料は毎月給与から天引きしますが、その納付は、年に1回、1年分の給与を集計して決められた保険料率を乗じて保険料を計算します。, この集計する給与には、入退社の日によって給与を日割りしたような場合には、日割りした金額そのままで集計すればよいので、給与天引きする金額も、日割りした金額をベースに計算すればよいということになります。, 社会保険のように対応関係などは気にせず、とにかく支給する給与から給与天引きしていけばよいので、社会保険に比べて分かりやすいと思います。, 具体的に日付を設定して社会保険料の天引きのケースを見ていくことで理解を深めましょう。雇用保険料については、いずれのケースも単純に決められた保険料率で天引きするだけですので、社会保険料についてのみ見ていきます。いずれも同一月に入退社はしないものとします。, ●入社時の取り扱い入社月の末日は必ずその会社に在籍していますので、入社月から社会保険料が発生します。ただし、入社月の社会保険料の納付は翌月に行われます。そのため、15日締め当月25日支給の場合、入社月の翌月の支払われる給与から天引き開始となります。入社月に支払う給与については、給与天引きは行いません。, ●退職時の取り扱い 退職日が月末の場合、退職月の社会保険料もかかります(納付は翌月末)。この場合、退職者の給与の最後の給与の支払いは、16日から退職日までの分を翌月25日に支払いますので、最後の給与からも天引きを行います。, 退職日が月末以外の場合、退職月の社会保険料はかかりません。退職が1日から15日の間であれば、退職月に支払う給与で最後です。また、退職月の前月分(=退職月末日に納付する分)まで社会保険料の納付がありますので、最後の給与から1か月分天引きすることになります。, 退職が16日以降の場合は、最後の給与支払は翌月となります。しかし、翌月にはこの退職者の社会保険料はかかりませんので、給与天引きする必要もありません。, ●入社時の取り扱い ケース1と同様に、入社月から給与を支払うことがあっても、給与天引きは入社の翌月からとなります。, ●退職時の取り扱い 退職が月末以外の場合には、ケース1と同じく退職月の社会保険料はかかりませんので、最後の給与から1か月分天引きすれば問題ありません。ただし、月末退職になった場合は注意が必要です。当月25日支給のため、最後の給与は退職月に支払われますが、この退職者にかかる社会保険料の納付は、給与の支払いがない翌月末まで続きます。そのため、最後の給与から、2か月分の社会保険料を給与天引きすることで最後の納付に対応させる形となります。, ●入社時の取り扱い 締日と支払日がケース1とずれていますが、考え方は同じです。入社月に支払う給与からは給与天引きは行わず、翌月支払い分の給与から天引き開始となります。, ●退職時の取り扱い 退職についても、ケース1と同様に、月末退職であれば、21日から退職日までの給与を翌月28日に支払う際に、1か月分の社会保険料を天引きします。, 月末退職でない場合、1日から20日の間に退職すれば、最後の給与は退職月に支給する分となります。この場合、最後の給与から1カ月分天引きすれば大丈夫です。21日以降に退職した場合、最後の給与は翌月28日となりますが、この場合月末退職でないため、翌月末にこの退職者の社会保険料は納付しません。そのため、最後の給与から社会保険料の天引も行う必要はありません。, ●入社時取り扱い 入社月の社会保険料は翌月末に納付します。一方入社月の給与は、入社日が1日から20日であれば翌月、入社日が21日から末日であれば、翌々月ということになります。1日から20日入社であれば、その月の給与が翌月28日支給となり、その月の社会保険料は翌月末納付となります。そのため、初回の給与から1か月分天引きすることになります。入社日が21日から末日の場合、社会保険料の納付は翌月末となる一方、最初の給与は翌々月となります。そのため、最初の給与から2か月分を給与天引きすることで帳尻を合わせます。, ●退職時の取り扱い 退職日が月末の場合は、最後の給与は翌々月の28日になりますが、社会保険は翌月末納付で最後です。この場合、最後の社会保険料と対応するのは、退職月の翌月支給分の給与のため、最後の給与からの天引きは不要です。, 月末退職以外の場合、退職日が1日から20日の間の場合退職月の社会保険料はかかりませんので、翌月28日に支払う最後の給与から給与天引きは不要です。退職日が21日以降の場合、最後の給与は翌々月28日となりますが、これも社会保険料は、退職月まででストップしますので、給与天引きは不要となります。, 最後に、退職月に賞与を支給した場合を見てみましょう。賞与については、支給した月にその者の給与分の社会保険料を納める必要があるかどうかで判断します。, 月末退職であれば、その月の給与分の社会保険料がかかるため、退職月に支給する賞与にも社会保険料がかかります。, 一方、月末退職でない場合、給与分の社会保険料は発生しないため、賞与についても社会保険料は発生しないということになります。, 税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、起業コンサルタント(R)。1984年富山県生まれ。東京大学経済学部卒。大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社にて財務・経理担当として勤務。在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。2013年にV-Spiritsグループに合流し税理士登録。現在は、税理士・司法書士・社会保険労務士として、税務・人事労務全般の業務を行う。, 【e-Taxで確定申告】ID・パスワード方式の手順、メリットとデメリットについて調べてみた. また、社会保険料や住民税の支払いについても見ていきましょう。 さっそく正社員の求人を探してみる! 失業手当は、誰でもすぐにもらえるの? 失業手当をいつからもらいはじめることができるか知っていますか?受給開始日は、人によって違います。 社会保険は原則として、 翌月に支払う給料から天引きする仕組み となっています。 また、社会保険は原則として、 資格喪失日が属する月の前月分まで分給料から天引き されます。 具体的に見ていきましょう。 月末に退職すると2ヶ月分の社会保険料が天引き 転職時の社会保険の切り替え方ですが、原則、次が決まっているなら転職先が代行してくれ、決まっていないなら自分で手続きをすることになります。この記事では健康保険の手続きやよくあるq&aをまとめました。 退職先の社会保険の継続を希望する場合は、被保険者資格喪失日から20日以内に加入中の健康保険組合に対して継続の申請を行います。 それまで事業主と折半していた保険料をひとりで払うので、保険料の支払額が倍になります。 転職や就職し、新しく入った会社で社会保険(健康保険・厚生年金)に加入した場合は、国民健康保険から抜ける手続き(脱退手続き)をとらなければなりません。 All rights reserved. このため、月末退職かそうでないかにより、1ヵ月分(事例では4月分)の社会保険料の負担があるかどうか変わってきます。(日本では、国民皆保険制度がとられており、, (その事実があった日に更に前条に該当するに至ったときは、その日)から、被保険者の資格を喪失する。, 前月から引き続き被保険者である者がその資格を喪失した場合においては、その月分の保険料は、算定しない。, 被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失したときは、その月を一箇月として被保険者期間に算入する。, その月に更に被保険者又は国民年金の被保険者(国民年金法第七条第一項第二号に規定する第二号被保険者を除く。)の資格を取得したときは、この限りでない。, あくまでも当記事については参考程度とし、実際の適用にあたっては、顧問税理士に相談されるか、ご自分で判断して下さい。取扱いに関して, 倒産防止共済を損金算入する際の根拠となる税法上の条文と添付書類についてまとめてみました。, 従業員の入社時と退職時の社会保険料|何月分の社会保険料を控除すれば良いか?条文で確認. 多くの方は社会保険について悩んだことがあると思います。特に月の途中や月末で退職・転職することによって変動する社会保険の仕組みなどは実に複雑です。今回はそんな苦手に思う方も多い、月の途中・月末での退職によって変動する社会保険について解説します。 健康保険料は月額18,810円、厚生年金保険料は月額34,770円、毎月の給料から天引きされる社会保険料額の合計は53,580円となります。 では、一つ上の等級である 「標準報酬月額」が410,000円の方で 、同じく40歳未満の場合を見ましょう。 入社時に受け取った「保険証」。これまで利用してきたけれど、退職したらどうなるの? 退職後も、引き続き保険証を使えるものなの? そこで今回のテーマは、退職や転職に伴う健康保険や保険証の手続きについてのお役立ち情報です! 「月末に退職すると、社会保険料が2倍になる」ということを聞いたことはありませんか? 社会保険料は決して安いものではなく、働かれている誰もが、もし可能ならば安く抑えたいと思われるはずです。 では、実際に月末に退職すると社会 […] 社会保険料として、2万2000円記載ありますが、給料不足の為、翌月の給料から2ヶ月分とありますが、免除等にはならないのか?, 免除にはなりません。 新入社員の雇用保険・社会保険の保険料は、いつから給与天引きを開始すればよいのでしょうか? 雇用保険は『給与を支払う都度』、社会保険は『資格を取得した月の翌月から』控除するよう法律で定めら … 4月から6月の給料によって支払う税金は高くなるのでしょうか?答えはNOです。 大変惜しいのですが、4月から6月の給料から算定されるのは、「社会保険料」を決める標準報酬月額です。つまり税金ではないのです。 社会保険料とは、毎月会社員の給料から天引きされる「健康保険料」「厚生年金保険料」「介護保険料(被保険者が40歳以上の場合のみ徴収)」の総称です。 この3つの保険料は、それぞれ「標準報酬月額×各保険料 … 3月分の給料は、3日間のみ、 国民健康保険から抜ける手続きの方法(脱退手続き) 脱退手続きの窓口と必要書類. 歴史的な人材不足から、中途採用市場は活況が続いており、転職支援サービスの利用者は増加傾向にあります。 限定求人が約85%!転職するなら【リクナビネクスト】 転職のために会社を退職すると、会社で加入していた社会保険(健康保 … 転職後の住民税はどうなる?会社員は住民税や所得税、社会保険料などを給与から天引きされています。自分で直接納付していないため、あまり意識していないかもしれませんが、転職の際にどのような手続きが必要なのか、ご紹介します。 退職先の社会保険の継続を希望する場合は、被保険者資格喪失日から20日以内に加入中の健康保険組合に対して継続の申請を行います。 それまで事業主と折半していた保険料をひとりで払うので、保険料の支払額が倍になります。 従業員の入社時や退職時の給与計算で、給与から何月分の社会保険料を控除すれば良いのか悩んだ経験のある経理・総務担当者は多いと思います。今回は、入社時と退職時にわけて法律上どのように規定されているのかについて確認して行きたいと思います。 社会保険料の控除について. 初任給から厚生年金保険料が引かれていない際の注意点を押さえることで社会の仕組みがわかると思います。初任給から厚生年金保険料を引かれると、手取りが少ないと感じるかもしれません。 転職後の住民税はどうなる?会社員は住民税や所得税、社会保険料などを給与から天引きされています。自分で直接納付していないため、あまり意識していないかもしれませんが、転職の際にどのような手続きが必要なのか、ご紹介します。 入社時に受け取った「保険証」。これまで利用してきたけれど、退職したらどうなるの? 退職後も、引き続き保険証を使えるものなの? そこで今回のテーマは、退職や転職に伴う健康保険や保険証の手続きについてのお役立ち情報です! キャリア10年以上の税理士が対応いたします!業務エリア:全国対応可, 従業員の入社時や退職時の給与計算で、給与から何月分の社会保険料を控除すれば良いのか悩んだ経験のある経理・総務担当者は多いと思います。今回は、入社時と退職時にわけて法律上どのように規定されているのかについて確認して行きたいと思います。, 法律では入社月から社会保険料はかかり、「報酬を支払う場合、前月の社会保険料を控除する」と記載されています。つまり、4月分の給与からは、3月分の社会保険料を控除するという翌月控除が基本となります。支払う場合と記載してあることから支払月で考えるところがポイントだと思います。従業員ごとに異なる適用をしないように注意しなければなりません。, 健康保険・厚生年金保険の保険料の徴収は、日本年金機構(年金事務所)が行うこととされており、事業主負担分の保険料と併せて、翌月末日までに納めることになっています。(例えば、4月分保険料の納付期限は5月末日となります。), まず、社会保険の資格喪失日について確認します。健康保険と厚生年金ともに、資格喪失日は、退職日の翌日になっています。また、健康保険と厚生年金ともに、前月から被保険者である場合には、資格喪失日の属する月分の保険料はかからないという規定になっています。, 事例で確認すると、4/25に退職した場合には、資格喪失日は4/26、資格喪失日の属する月分の保険料はかからないことから、4月分の社会保険料はかかりません。一方、4/30に退職した場合は、資格喪失日は5/1、資格喪失日の属する月分の保険料はかからないことから、5月分の社会保険料はかかりませんが、4月分の社会保険料はかかることになります。, このため、月末退職かそうでないかにより、1ヵ月分(事例では4月分)の社会保険料の負担があるかどうか変わってきます。(日本では、国民皆保険制度がとられており、従業員の立場で考えると、月末退職ではなく退職月分の社会保険料がかからない場合でも、国民健康保険や国民年金などに加入しなければならず、妻の扶養に入る場合を除き、何らかの保険料は負担しなければならなりません。会社側からすれば、会社負担分がなくなる分お得になります。), 第十九条 被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。, 従業員が会社を退職する場合は、2か月分の社会保険料を控除することができます。月末退職で退職時に最後の給与を支払う場合などが該当します。, 例えば、4/30に退職すると月末退職なので4月分の社会保険料が発生します。4/30に退職し4/30に最後の給与を支払う場合には、通常は、4月分の給与からは3月分の社会保険料を控除しますが、退職時は、さらに、4月分の社会保険料についても控除できるという規定になっています。, 入社月に会社を退職した場合(同月得喪)には、健康保険と厚生年金で取り扱いが異なります。基本的には、健康保険と厚生年金ともに、入社月に会社を退職した場合でも保険料はかかりますが、厚生年金については、還付される場合があります。, 厚生年金保険料は、従業員が入社月に退職する場合、従業員がその退職月に国民年金や転職先で厚生年金に加入すれば2重払い分は還付!, 厚生年金については、入社月に退職し、その退職した月に国民年金に加入した場合や新たに転職先で厚生年金に加入した場合は、退職先が納付した退職月の厚生年金保険料は還付されます。, 仕組み的には、後日、退職した会社に年金事務所から通知が届き、会社が還付請求を行うことにより還付される仕組みになっています。退職した従業員が、国民年金の手続きを行うか、又は、転職先で社会保険に加入しなければ還付されず、一般的には、一旦は、厚生年金保険料を徴収する会社の方が多いと思われます。, まとめると、入社月に退職した場合でも、社会保険料は1ヶ月分かかります。厚生年金保険料については、後日還付されるケースがあります。社会保険料は翌月控除が基本なので、入社と退職が同じ月で退職月に最後の給与を支払うケースでは、社会保険料の控除もれが発生する確率が高くなるため、注意が必要です。, あくまでも当記事については参考程度とし、実際の適用にあたっては、顧問税理士に相談されるか、ご自分で判断して下さい。取扱いに関して電話等での無料相談(仕事の依頼予定がある場合は除く。)は行っておりません。有料相談になります。, ■電話:047-767-5591(仕事の依頼予定がない場合の相談は有料相談にて対応しています。), 3月末日入社、3日間の時給発生 退職してすぐに再就職しない場合、それまで自動で給与から天引きされていた税金や社会保険料は自分で支払わなければなりません。そこで今回は締め日が税金と社会保険料に及ぼす影響を解説し、退職してすぐに再就職しない場合はどのような選択手段があるのかを紹介します。 従業員の給与から天引きする社会保険料は、大きく分けて、次の3種類があります。 このほかにも従業員が関係する社会保険として労災保険もあります。ただし、労災保険料については100%会社負担であるため、従業員からの給与天引きはありません。そのため、今回は給与天引きが関係する上記の3つの制度に絞って説明していきます。 健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料すべて、毎月の給与や、年数回の賞与の支払いの度に … 会社員が加入している社会保険は健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険で、毎月保険料が給料から天引きされています。なお、介護保険は40歳以上の人が対象です。そのうち健康保険・介護保険・厚生年金保険は 新しい会社などに転職した場合、新しい保険証を早くもらいたいけど、いつもらえる?どのくらいの日数? 特に小さなお子さんやかかりつけの病院にかかっている場合、早く保険証をもらいたいですよね。退職後の任意継続と国民健康保険はどっちが得? 多くの方は社会保険について悩んだことがあると思います。特に月の途中や月末で退職・転職することによって変動する社会保険の仕組みなどは実に複雑です。今回はそんな苦手に思う方も多い、月の途中・月末での退職によって変動する社会保険について解説します。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); Copyright © 千葉県船橋市・市川市・浦安市 西船橋駅から徒歩2分の税理士・酒居会計事務所(税理士事務所). 今回は、転職するときに気になる「月の途中で退社→入社したときの社会保険料(健康保険・厚生年金)はどうなるのか?」「二重で払う必要があるのか?」について、年金事務所に問い合わせて確認したことをまとめましので、良かったら参考にしてみてください^^ Copyright © Yayoi Co., Ltd. All rights reserved. 退職・転職に伴い勤務先が変わる場合、厚生年金と健康保険の切り替えを行わなければいけません。公的な仕組みの切り替えなので「難しいそう」と思って尻込みしてしまう方も多いのではないでしょうか?具体的にどういうふうに手続きを進めたらいいのか、切り替え方法をご紹介しましょう。 初任給から厚生年金保険料が引かれていない場合は総務に相談. [役員報酬を下げた場合、社会保険料はすぐに下げられるのか?]労務相談|飲食求人グルメキャリー 飲食業界専門の求人情報誌。業種(イタリアン,フレンチ,居酒屋)、職種(パティシエ,バーテンダー,ソムリエ)、勤務地による検索等。 飲食バイト・飲食店アルバイトもグルメキャリー! 本来なら4月から社会保険や厚生年金の取り扱いとなっていたはずなので、この一ヶ月の支払いはどのような手続きが必要なのか、お聞かせ下さい, 申し訳ありませんが、社会保険関係のご相談は社会保険労務士にお願いします。ただ、今回の場合、会社に確認された方が良いと思います。, 文面を見る限り、4月は社会保険未加入で、5月から社会保険の加入手続きをされるのではないでしょうか。4月に関してどうすれば良いのか会社に確認してみてはいかがでしょうか。, 企業実務2020年10月号で「税金滞納時に課される延滞税とコロナに伴う特例について知っておこう」という記事を執筆させていただきました。. 今現在、定期的に病院に通院している持病のある方や、扶養家族をお持ちの方は、特にどうしたらいいか不安になるかもしれません。でも安心してください。これを読めば、転職時の保険証の扱いに戸惑うことなく切り替え手続きを行うことができます。 社会保険料(健康保険・厚生年金)は、「月末に在籍している会社で保険料を納める」ことになっていますので、月の途中で退社→入社した場合は、その月の社会保険料(健康保険・厚生年金)は新しく入社した会社で納めることになります。 例えば、10月10日にA社を退社し、その後、10月20日にB社に入社した場合、10月分の社会保険料(健康保険・厚生年金)はB社で納めることになります。 ですが、10月分の給与明細を見ると、A社とB社の両方で社会保険料(健康保険・厚生年金)が引かれてい … 転職の際は、現職の退職日と転職先の入社日を上手く調整しないとトラブルにつながることがあります。場合によっては懲戒処分を受けてしまうことも。あるいは、退職日と入社日の間が空くケースでは社会保険料などの面でデメリットが生じることもあります。 社会保険料の控除はいつからいつまで?Question先月の25日で退職した社員が「最後の給与で社会保険料が引かれているのはおかしいんじゃないか。返金して欲しい。」と言ってきました。当社の給与は20日締め切りの28日支払いなので、5日分の給与を今月28日に日割り計算で支払いました。 歴史的な人材不足から、中途採用市場は活況が続いており、転職支援サービスの利用者は増加傾向にあります。 限定求人が約85%!転職するなら【リクナビネクスト】 転職のために会社を退職すると、会社で加入していた社会保険(健康保 … 会社員が加入している社会保険は健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険で、毎月保険料が給料から天引きされています。なお、介護保険は40歳以上の人が対象です。そのうち健康保険・介護保険・厚生年金保険は つまり社会保険料は翌月の給与から控除することなり上記問題は解消される。しかし退職する場合、退職日が月末になると企業の給与の締め支払日で変わるが、最終給与から2ヵ月分の社会保険料を控除する必要があることに注意が必要である。 5月21日入社の社員の健康保険料と厚生年金保険料は6月支給給料から5月分を控除していいのですよね? 給与は20日締め25日払いです。 社会保険料納付は5月分は6月末日納付です。 ご回答をよろしくお願いいたします。 3日間の収入に対して社会保険料が月額分控除されるのはおかしいと思われるかもしれませんが、日本では国民皆保険制度がとられております。例えば、仮に4月入社だった場合には、3月分の国民健康保険料と国民年金をご自分で支払わなければならなかったことを考えると、会社負担分のある社会保険料の支払いはある意味お得なのかもしれません。ただ、収入以上に引かれてしまうのはかなしいところですが、そういう仕組みになっています。宜しくお願いいたします。, 転職により正社員として4月1日から勤務したが、新型コロナの影響により4日勤務のみで休業となりました。5月いっぱいも休業です(二ヶ月間は研修期間のため、給料は時給計算となります) 国民健康保険から抜ける手続きの方法(脱退手続き) 脱退手続きの窓口と必要書類. 転職や就職し、新しく入った会社で社会保険(健康保険・厚生年金)に加入した場合は、国民健康保険から抜ける手続き(脱退手続き)をとらなければなりません。 転職者から回収する書類. 「月末に退職すると、社会保険料が2倍になる」ということを聞いたことはありませんか? 社会保険料は決して安いものではなく、働かれている誰もが、もし可能ならば安く抑えたいと思われるはずです。 では、実際に月末に退職すると社会 […] 5月21日入社の社員の健康保険料と厚生年金保険料は6月支給給料から5月分を控除していいのですよね? 給与は20日締め25日払いです。 社会保険料納付は5月分は6月末日納付です。 ご回答をよろしくお願いいたします。 社会保険料の控除について. 社会保険料の控除はいつからいつまで?Question先月の25日で退職した社員が「最後の給与で社会保険料が引かれているのはおかしいんじゃないか。返金して欲しい。」と言ってきました。当社の給与は20日締め切りの28日支払いなので、5日分の給与を今月28日に日割り計算で支払いました。 従業員が転職をするときの社会保険手続きは、現在勤めている会社での社会保険喪失手続き後、転職先の会社での取得手続きの順で行われます。. 社会保険料について質問です。今月の1日から転職した会社から給料明細をもらったのですが、給料から社会保険料が引かれていませんでした。入社1ヶ月も経っていない場合、その月の給料から引かれないのでしょうか?また給料天引きされる保 [役員報酬を下げた場合、社会保険料はすぐに下げられるのか?]労務相談|飲食求人グルメキャリー 飲食業界専門の求人情報誌。業種(イタリアン,フレンチ,居酒屋)、職種(パティシエ,バーテンダー,ソムリエ)、勤務地による検索等。 飲食バイト・飲食店アルバイトもグルメキャリー! 毎月のお給料から、加入している保険に応じて、社会保険料(健康保険料[介護保険料]、厚生年金保険料)と雇用保険料が控除されていますね。さりげなく徴収されていますが、それぞれで徴収の仕方が違っており混乱するケースがあります。 いつから? 千葉県船橋市・市川市・浦安市 西船橋駅から徒歩2分の税理士・酒居会計事務所 税理士報酬格安プランあり。, 平成16年12月税理士試験合格、平成27年12月宅地建物取引士試験合格 今現在、定期的に病院に通院している持病のある方や、扶養家族をお持ちの方は、特にどうしたらいいか不安になるかもしれません。でも安心してください。これを読めば、転職時の保険証の扱いに戸惑うことなく切り替え手続きを行うことができます。 [産前産後休業で社会保険料が免除されるのは、具体的にいつからいつまでか]ひさのわたるの飲食業界の労務相談|飲食求人グルメキャリー 飲食業界専門の求人情報誌。業種(イタリアン,フレンチ,居酒屋)、職種(パティシエ,バーテンダー,ソムリエ)、勤務地による検索等。 新入社員の雇用保険・社会保険の保険料は、いつから給与天引きを開始すればよいのでしょうか? 雇用保険は『給与を支払う都度』、社会保険は『資格を取得した月の翌月から』控除するよう法律で定めら … 転職のために現在の会社を退職することになった場合は、社会保険の資格喪失手続きを行います。 [産前産後休業で社会保険料が免除されるのは、具体的にいつからいつまでか]ひさのわたるの飲食業界の労務相談|飲食求人グルメキャリー 飲食業界専門の求人情報誌。業種(イタリアン,フレンチ,居酒屋)、職種(パティシエ,バーテンダー,ソムリエ)、勤務地による検索等。 エンジャパンの転職サイト「最大級」のq&aコーナー転職q&a。コーナーに寄せられた「月の中旬で入社。その月の健康保険、国民年金は支払うの?」に関するq&aです。他にも皆さんから寄せられた、さまざまな転職の疑問・お悩みにお答えしています。 保険証が一ヶ月たっても届かないため担当者に催促したところ、今月に入り回答が来て勤務日数があまりにも少ないため、保険加入の対象外となり5月から保険証の申請をすると回答が来ました  従業員の社会保険料計算、給与天引きのタイミング。入社・退職時の注意点は?社労士が徹底解説, 健康保険料・厚生年金保険料については、基本的に月末に加入者であれば、その月の社会保険料がかかる. 新しい会社などに転職した場合、新しい保険証を早くもらいたいけど、いつもらえる?どのくらいの日数? 特に小さなお子さんやかかりつけの病院にかかっている場合、早く保険証をもらいたいですよね。退職後の任意継続と国民健康保険はどっちが得?

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